やっと、書ける。

何度もここへ来ては記事を書こうと試みたのですが、どうも何を書いても嘘臭く感じてしまう日々が続き、ひと月近くが経ってしまいました。
その度に少しずつですがカウンターが回っているのを見て、もしかしたら心配して下さった方々がいて、何度も確認に来て下さっていたのかもしれないと思いながらも、書けませんでした。もしちょっとでも、「気にしてたんだぞー」という方がいらっしゃれば、すみませんでした。
おそらく、大丈夫だと思われます。



おそらくと書いたのは、胸の痛みの原因が今回受けた検査では特定出来なかったからです。
しかし、造影剤を用いたCTスキャンと、心臓エコーの結果だけを見れば、心臓機能に問題はないそうです。特に、狭心症の原因の一つである動脈硬化なども起こっておらず、血管が詰まって血流が悪いとか細くなっているという症状は出ていないとの診断を頂きました。そこは素直に喜んで良いと思われます。正直涙が出るくらい、ホッとしました。
しかし、私が懸念されていた安静時狭心症の場合、胸の痛みの原因となる血管の変化は動脈硬化以外にも、痙攣による収縮によっても引き起こされます。
とは言え、その痙攣がなぜ起こるのかは今回の検査では分からず、「安静時狭心症の可能性は消えない」という診断でした。



ただ、前回の記事にも書きましたが、胸の痛みが強くなって病院を訪れたのが9月7日。それまで2週間ほど毎日胸の痛みがあったにも関わらず、病院を訪れた2,3日後にはそこまで急を要するとは思えない程度にまで症状が落ち着いてきたのです。
少しホッとしたものの、全く痛くなくなったわけでもない、という微妙な状態が数日続きました。
その辺りで一度、「この程度の痛みで飲んで良いものか分からないが」と思いながらもニトロを舌下に服用してみました。通常1〜2分で効果が表れる、と説明書きにありましたが頭痛がしただけで劇的な胸の変化は感じられませんでした。
ところが、です。
丁度、病院へ行った翌日あたりから毎日、今度は昼間に胸痛と胸の圧迫感、鎖骨辺りの痛み、息苦しさなどを感じるようになったのです。
これにはほとほと参りました。
腰痛と胸痛のダブルパンチです。
しかし、さすがに私も「気のせいだろう」もしくは「狭心症かもしれないなんて言われたもんだから、気にし過ぎているんだろう」と思っていました。思ってはいるのですが、これは共感していただける方がたくさんいると信じますが、本当に痛いのです。本当に苦しいのです。
心因性であれ、ストレスであれ、考え過ぎであれなんであれ実際痛いし息苦しい。
病は気からと言いますが、実際体に症状が出るのであればそれは確かに病気だし、なんとかしてくれと切実に思います。
決して馬鹿にしたり侮れるものはありませんよ。



病院を訪れて次回検査までのおよそ20日間。
ずっと、毎日痛みがあり、息苦しさがありました。取れた日はありませんでした。それは休日でも同じです。
ストレスが溜まっているのだろうか。毎日不安だし、仕事も忙しい、子育て奮闘中の奥さんにもその不安は影響しているだろうし、自分は決して子育てに積極的に参加出来ているとは言い難い。腰痛だってある、お金もかかる、学資保険の審査だ、病院代だ、もしかしたらこれからもっと治療費が必要になったりするかもしれない、そんなことばかり考える毎日だったので、無理もない話なのかもしれません。
しかし私はこれまで、自分自身がストレス耐性の強い人間だと思って生きてきました。
職場での嫌な人間に対しても、嫌な仕事の内容に対しても、ストレスを家には持って帰らない。2,3日もすれば忘れてしまえる人間だと思い込んできました。
しかしそれはただ単に、煙草と映画と音楽に逃げて、助けられていただけかもしれません。
子どもが生まれて色々と生活内容も変わりました。
煙草はやめたし、好きなタイミングに好きなだけ映画を見る時間もなくなりました。しかし何物にも代え難い生命を頂きました。その事に不満はありません。
しかしこれまでうまく逃がせていたストレスが、今スムーズに排出出来ていないのかもしれません。
もしそういった事が今回の胸の痛みと関係があるなら、私は決してストレスに強い人間ではなかったと言えるでしょう。
詳しい日時は覚えていませんが、とある休日。
夕方前に、ホラー映画を一人で見ていました。
本来なら大好きな外国産ホラー映画を堪能して最高の時間を満喫しているはずなのですが、仕事中にも感じたことがないような胸の圧迫感がいきなり襲ってきました。しかもエンディング付近。映画の山場は当に越えた後です。なので映画の恐怖演出に体が反応したのではありません。
痛くはない。息苦しいとまでは行きませんが、湯船に喉元まで浸かっている感じ。
グーっと胸を押さえられる圧迫感と、本当に軽くですが眩暈もあった気がします。恐怖心による錯覚かもしれません。
「うわ、なんだこれ」と怖くなって、2回目のニトロ服用。
しかし、効きません。また、頭が痛くなっただけ。
椅子に座り直して、お茶を飲んで休んでいると治まってきたのですが、ニトロの効果というには時間が掛かりすぎます。
あとで知ったのですが、ニトロは痛みやその他の症状が出る前に服用しても良いくらい安全な薬のようです。
5分経って効果が出なければ、続けて服用しても平気なのだとか。
もちろん、今後処方される可能性のある方は、お医者さんや薬剤師さんの言葉をよく聞いて、用法容量を守って正しくお使いくださいね。



あと、どこまで関係があるのか分かりませんが、このひと月程は本当によくゲップが出ます。汚い話で申し訳ないのですが、浅い物から深く大きい物まで様々に、数え切れない回数のゲップを出してきました。ゲップをすると息苦しさが少し楽になります。
これだけ頻繁にしていると、胃がんの可能性も出て来るのですが、さすがにそこは胃カメラを飲んだばかりなので、ストレスだという事にしておきましょう。



そんなこんなで当初病院を訪れた理由とは別の症状と戦いながらの20日間を乗り越えて、9月26日に心臓CTと呼ばれる検査を受けました。
これが結構怖い。
そもそも痛い事が異常に嫌いです。
採血程度の痛みは平気なのですが、未知の痛みに対する恐怖が半端ではない。
あ、今なんとなく、こういう所にもストレスに対する弱さが垣間見えていましたね。
分かってると平気。分からない事がすごく怖い。
心臓カテーテルの麻酔が異常に痛いらしい、という話を仕入れていたので、今回のCTにも少し恐怖心を抱いていました。
だって血管に直接造影剤を流し込むという事は、血管に針を刺した点滴状態で検査を受けるんですよね。どの程度の太さの針なんだ?実際血管に薬剤を流される感触ってどんなだ?とか色々考えるとそりゃあ怖くもなりますよ。
実際の注射は、そこまで痛くはありませんでした。
痛くないことはありません。痛いです。
しかしそこまで、です。
「おー、ちょっと痛い」
とは言いましたけどね。
聞き間違いじゃなければ、「少し太い血管を探して刺しますんでね」と看護師さんに言われたと思います。針ではなくて刺した血管によって痛みが違うのかもしれませんね。
あとは、その針を固定した状態で、MRIより全長の短いトンネルを胸元までくぐらせて写真を撮ります。
放射線科による検査ですので、妊婦さんは受けられません。
何度か息を止めて、吐いてを繰り返すのですが、おそらく平常時よりも苦しく感じました。もともと圧迫感や息苦しさを感じていたこともあって、指示より早く限界が来たらどうしよう、息を止めている最中に胸痛が襲ってきたらどうしよう、とか良からぬことばかり考えてしまいました。
そのせいか、「脈が少し早いので、抑える薬を入れますね」とお医者さんに言われる一幕も。
舌下に液体スプレーも掛けられましたが、何をされたかはっきりと覚えていません。軽い頭痛を感じたので、ニトロのような薬かな、とうっすら思った記憶があります。
20分近く息を止めたり吐いたり、トンネルをくぐったり出たり。
やがて別室から聞こえます。
「はい、じゃー、造影剤を流して写真を撮りますねー」





「あ、まだ流してなかったんだ!?」




思わず突っ込みを入れそうになりました。じゃあ最初に腕に針を刺して液体をポタポタさせていたのは何が入ってたの?
今もってその正体は分かりません。
「造影剤を流した瞬間は体がカーッと熱くなりますからね、でも大丈夫ですよすぐ治まりますんでねー」
「そう言えばそんな話聞いたことあるなー」
程度の印象だったのですが、
「はーい、行きまーす」
からの、
グアアアアアアアアアア、っとくる感触はまさに、
「うわ!これやばいやつだ!吐く奴だ!」
です。物凄く熱いです。汚い話ですみません。漏らしたかと思うくらい肛門が熱くなりました。注入された右腕に始まり一瞬で全身が熱くなり、息を止める指示に従っている間中、ずっと吐き気を堪えていました。
私は下戸なのですが、若い時に何度かお酒の席で断り切れずにノリで飲んだことがあります。そのお店のトイレで個室をひとつ貸り切って盛大に1時間ほど吐いて潰れた経験があるのですが、本当にその時の事を思い出しました。
実際には今回吐いてませんし、すぐに熱は治まったのですが、一気に昔の苦い思い出が蘇るくらい、私には「急性アル中」に近いものを感じました。
無駄に怖がらせてしまっていたら、ごめんなさい。
人によって感じ方が違うと思いますので、参考にならないかもしれません。私はそう思いました、という話なので、あまり「ヤバイ検査らしいよ」みたいな話に捉えないでくださいね。



その日は本当に検査のみ。診察もなくお会計だけしてすぐに帰りました。
びっくりですね。9000円以上しました。
お金ギリでした。
そんなにするなら前もって言って欲しかったです。



そして、昨日10月5日、心臓エコー検査の日。そしてCTの結果が分かる日。心エコー自体は初めてではありませんでした。痛くも痒くもない検査です。先端にジェル状の何かを付けた器具で体の表面をぐりぐりされる検査です。
今回20分以上念入りにグリグリしてもらいました。結構、痛い部分もありました。押し付ける強さなのか、私の皮膚が弱いのか、押し付けられる箇所に痛む原因が潜んでいるのか分かりませんが、ちょっと意外な程痛かったです。完全に気を許していたので、悲しくなりました。
終わってすぐ、「何かまずい所ありましたか」と聞いたのですが、
「いや、あのー、ね、あとで先生にまとめて話をしてもらって、結果を聞いて下さいね」なんてしどろもどろに苦笑いされたもんだから怖くなって、「なにかあるって事なんですね」とついポロっと愚痴をこぼしてしまいました。
そこから30分ほど待って、いざ診察へ。




結果的には、冒頭のような診断だったのですが、何と言いますか。
ひとつの安心をお金で買えたは良いが、不安が全て解消されたわけではない、という中途半端な答えも貰ってしまって嬉しいような嬉しくないような。
もちろん、割と精密に心臓を診てもらい、心臓機能にさしたる問題はない、と言ってもらえたことは嬉しい限りです。
しかし、やはり朝の決まった時間に胸が痛んだ理由や、その後日中に感じた息苦しさや圧迫感の正体は依然突き止められず。
今後もし症状が悪化したり、また朝の痛みがぶり返したりするようであれば、今度は心臓以外の原因を視野に入れて検査しないといけないので、



「その時はまた来てくださいね」



という突き放されよう。
要するに今すぐにはどうすることも出来ないという見解のようです。
今もって朝決まった時間に胸が痛むのであれば、薬による治療を行うはずだったのですが、今は朝痛くない。日中の痛みや息切れに関してはストレスの可能性もあるし、肺という可能もある。何にしろ今心臓に問題がない以上、狭心症としての薬物治療はしません、という事らしいです。
あと単純に、ニトロが効かないとなれば狭心症の可能性が低い、とも言われました。この20日程で、私自身ネットで色々調べ、安静時狭心症の場合ニトロが効きにくいと書かれた記事を目にしていたので、「でも安静時狭心症って、効かないんですよね?」と尋ねると「効きます」と即答されてしまいました。というより、血管を広げる薬なので、動脈硬化であれ痙攣による収縮であれ、血管を広げて痛みが取れるのであれば、心臓周辺の血管に問題あり、という事のようです。効かないのであれば、原因はそこじゃない、という判断のようです。




なんと言いますか、こんな着地の仕方ですみません。
私自身モヤモヤが消えません。
しかし今は、心臓に問題がないことが分かっただけでも良しとしたいと思います。
一週間もすれば、何事もなかったように胸の痛みや息苦しさが消えているかもしれませんし、少し肩の力を抜いて考えてみたいと思います。
このひと月本当にしんどかった。辛かったので。






また、今後も言葉を大切にしながら色々書いていきたいと思います。
では、また。