夏は終わりました。

不幸な記事で止まっていたので、気分を変えて音楽の話でも。
子供が生まれるずっと前から、自室で音楽を聴く機会が減っていたように思います。結婚を機にと言うと奥さんが怒るでしょうが、やはり自分一人の時間をまとめて取れなくなった事も原因の一つではないかと思います。
相変わらず音楽は大好きです。
側になくては生きて行けないと思います。
なので今はもっぱら車での通勤時間や外出時にカーステで楽しむ毎日。
時代時代によって好んで聞く音楽の趣味は変わってきましたが、
今一番心地よいアーティスト、ミュージシャンは、


GARNET CROW


です。
サン、ハイ。


「なんで今!?」


そうですよねえ、なんで今?という感じなのでしょうかねえ。
ご存知の方も多いと思いますが、ガーネットクロウを一躍人気者にしたのは「名探偵コナン」のアニメ主題歌タイアップですよね。
時代がまだビーイングを受け入れていた頃で、多種多様なグループがコナンから飛び出して行きました。
彼らもその一つです。
そんなガーネットクロウが解散したのが2013年ですから、
すでに忘れ去ったしまった方も、知らないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
だけど当時から大ファンだった方は、今も変わらず大ファンのままでいらっしゃる事と思います。
私はどちらかと言えばガーネットクロウ人気が隆盛を誇っていた時代には見向きもしなかった(笑)人間なので、何一つ偉そうなことは言えませんし、マニアックな知識もありませんから、往年のファンを唸らせるような記事は書けません。
極私的な楽しみ方を、ここに残しておきたいと思います。



このブログのタイトルは「言葉を残そう」です。
長年お世話になっているこの「はてなダイアリー」様は来年春頃サービスを終了されるそうです。
これも時代の流れか、時代がまた終わるなと思うと非常に寂しい。
娘が大きくなった頃に、ここにしたためた拙い文章を読んでもらおうと再始動させたブログでしたが、この場所自体がなくなってしまうんですね。
もちろん「はてなブログ」へ移行すればよいのですが、それはそれ。
この場所はこの場所でしかない。
うちの娘はまだ二歳過ぎですが、ある程度会話が成立します。
最近車に乗っておでかけをすると、
「お父ちゃん、ガーネットクロウ聞く?」
と言います。思わず声に出して笑ってしまいます。
ガーネットクロウ、聞いて良い(よ)」
と許可までくれます。
うちの娘は二歳にして、ガーネットクロウのファンなのです。
そういう思い出も、彼女の言葉も、そしてガーネットクロウもいつしか過去の思い出になる。
そんな一抹の寂しさも、ここへこうして言葉に残せばいつか振り返って読む事が出来る。
だけど私が今記事を書いている「はてなダイアリー」は消滅します。
しつこいようですが「はてなブログ」は残ります(笑)。
ですが、そういう刹那的な感傷は嫌いではありません。
時代の移ろいや消えさるものの儚さも、どちらかと言えば好きな方です。
そんな私の性格にとてもマッチしているのが、「ガーネットクロウ」なのです。
前振りが長い長い(笑)。




彼らの事を知らない方の為にざっくりと紹介します。
多彩な音使いで飽きの来ない楽曲を生み出すアレンジャー兼キーボードの男性と、確かな演奏力を持ちながら主張しすぎない縁の下の力持ち的存在であるギタリストの男性と、バンドの世界観を一手に担うと言っても過言ではない作詞家でキーボードの女性と、確かな声の魅力と抜群の作曲能力、そして見事な歌いこなしでバンドの顔であるボーカルの女性、四人組の不規則編成バンドです。
なんでキーボード二人おるんや、という突っ込みは野暮です。
詳しくはwikiを見てください(笑)。



車に乗っている時間はずっと彼らのCDを流しています。
今年一番聞いているミュージシャンは彼らです。
「主食はデスメタル」と齢四十目前にして恥じる事なく断言できますが、
そんな私が今はずーっと飽きずに彼らばかりを聞いています。
音楽って、音や歌を聞いていると同時に心のどこかしらが震えていると思うんです。
いわゆる、感動ですよね。
もちろん、デスメタルと彼らではその震える心の部分は違うわけですが、
私の中の柔らかい部分を震わせる心地良さで言えば、ひょっとしたら『KOKIA』と同等あるいはそれ以上かもしれないと思う事があります。
KOKIAガーネットクロウは別のアーティストなので、当然別モノとして楽しめば良いのですが、何故だか自分比として比べてしまっている所があって、「どっちが好き? どっちがすごい?」と勝手に自問自答しています。
そんな、ガーネットクロウ
全く飽きません。
ずーっと聞いていられます。
ひとえに、ボーカル・中村由利さん、通称ゆりっぺさんの魅力ですね。私にとっては。
アレンジの妙も、確かな演奏力も理由としては大いにあります。同じ曲のアレンジ違いをいくつも発表している彼らだからこそ、その手腕を実感するチャンスがたくさんあります。
そして大枠で言えばJ-POP、歌謡曲に入るジャンルの彼らですから、日本語歌詞の魅力という物も外して語れはしません。
一時期ルックス最強神話が生まれた程のビジュアルと個性的なキャラで人気を博した、キーボード担当のAZUKI七さんですが、個人的には彼女の作詞能力の高さが印象的です。
バンドの特徴としてあげられる事の一つに、全歌詞を七さんが手がけ、全作曲をゆりっぺさんが手がけている、というものがあります。
これ実は本当に凄い事で、まず「よく一人でこれだけの数の名曲を生み出せたな」と信じられない程、作曲家であるゆりっぺさんの能力は桁外れです。実際に聞いた事のない方には伝わらないと思いますが、うちの奥さんは例えて、「どのアルバムを聞いてもベストアルバムに聞こえる」と言います。そのぐらい完成度の高い曲しか存在しません。
そして、ボーカルであるゆりっぺさんは作曲時に英語で仮歌を当てるそうですが、その曲に合わせて七さんが歌詞を書いていくのです。
ありそうで、これはなかなか無い事だと思います。
ボーカルのゆりっぺさんは作曲が出来るんです。なら全部自分で歌詞を書いてしまえば自己完結できるわけです。本来自分の書いた曲の世界観は自分が一番理解しているはずです。
そこをあえて、七さんの手に委ねている。
ゆりっぺさんの声に惚れこんだという七さんは、抜群のセンスでもって曲に至極のワードを当て嵌めて行きます。
そしてそれを今度はゆりっぺさんがまるで自分の内側から放たれた言葉であるかのように、歌いこなしています。
この、違和感のなさが本当に凄い。
一曲でも聞いてみればご理解いただけると思います。
歌っている人間と作曲した人間、そして作詞した人間が別だとは信じられないぐらいシンクロ率が高いのです。



世界観と言えば、「ガーネットクロウは暗い」というイメージが割と世間的に浸透していると思います。そして間違いではないよな、とも思います。
ボーカル・ゆりっぺさんの中性的な声のせいか、ガールズポップとはかけ離れた印象は否めないにしても、それが唯一無二の魅力とも言えます。
ですが囁くような低音や、ある種癖のある鼻声や、伸びのある高音や、申し分ない声量など全てを駆使して様々なパターンの歌声を披露している、凡百のグループとは一線を画す事も事実です。
そして、総合力で魅せる飽きの来ないバンド。
これもまた確実に言える魅力の一つです。
歌の上手さだけで言えばもっと上がいる事でしょう。
独特の歌詞を書く人は他にもいるでしょう。
演奏の上手いグループだって他にいるでしょう。
売れた名曲を誇るグループだっているでしょう。
だけどそれら全てを高水準で保持しているバンドはそうそういません。
10年活動していたおかげで多くの楽曲を世に送り出していますし、
ひとつひとつの完成度が高いおかげで「この曲しか聞かない」「この曲ばかり聞いている」という状況に陥りません。
よくあるシングルCDをまとめたベスト盤も良いですが、アルバム曲だけをまとめたベスト盤、シングルのカップリングだけをまとめたベスト盤も存在し、オリジナルアルバムと交えれば聴き方のバリエーションも選択肢が非常に多いです。
ずーっと聞いていたくなるヒーリング効果すらあります(笑)。



あと、やはり、これは言わずにはいられない。
やっぱりそこかい!と言われようが、関係ない。
言う。
ゆりっぺさんがドンピシャ、大好きなタイプです!
バンドの魅力を語る上では邪魔な発言ですが、
まあ、もう解散して随分経ちますし、私は別に広報活動をしているわけではありません。
好きだからこそこれだけ長い駄文を書き連ねているわけです。
なので言う。
ゆりっぺさん、帰って来て!表舞台に、戻って来て!


最後に、これはうちの奥さんと度々話すのですが、
ゆりっぺさんは凄まじい作曲能力の高さ故に、バンドを解散した後も実はビーイングに在籍していて、こつこつと曲を他のミュージシャンに提供し続けているのではないか?
という推測です。
そうであってほしい。
才能が枯れたとは思えません。
いつかまた、彼女の新曲を、七さんの歌詞で、ゆりっぺさんの声で、聴いてみたいです。



そんな私が一番好きなガーネットクロウの曲は、
『Holy ground 〜just like a "dejavu" arr.〜』
です。
…アレンジが実はバンド外の人物なので、楽曲の全てを自分達だけで創造できるクリエイター集団としての彼らを語る上では邪道かもしれませんが、今は一番この曲が好きです。
是非、御一聴をば。