禁煙失敗。

母から、あんたは意思が強いから大丈夫、なんて言われて自分でもまんざらではない気がしていました。しかし甘かったです、めちゃくちゃ甘かったです。3日で失敗しましたよ。たった3日で。
思えばもう、出だしで躓いていました。
本当はキリよく5月1日から始めるつもりだったのですが、4月30日に購入した自称最後のひと箱を吸い切らなかったせいで、これを吸い終わってから始めよう、どうせ家にあれば吸ってしまうんだろうから、なんて自分に言い訳していた時点で、意思が弱い証拠ですね。開けて5月2日から禁煙開始。自分でもどの程度の禁断症状やイライラが襲って来るか検討もつかず、初日はなんとか乗り越えました。3日、4日に連休を取ったのですが、この2日間家にいる間中、辛いのなんの。
噂では聞いていましたが、喫煙のタイミングを体が覚えているせいか、事あるごとに口の中がモアモアします。あー、今吸いたいんだなー。と自覚します。その都度、お菓子だのなんだのを食べて気を紛らわします。奥さんの実家から貰ってきたボトル入りのキシリトールガムを目の前に置いて、モアモアしてくると口に放り込みます。
一日で20個近くガムを食べたと思います。
一瞬気が紛れるのですが、こちらとしては別にガムを食べたいわけではないので、味が無くなればすぐに出してしまいます。波が来ればガムを食べ、味が消えれば吐き出し、その繰り返しを20回。だんだん胃が気持ち悪くなってきます。
しかし何かを食べているか口をもぐもぐしていないと気持ちが落ち着かないのです。
なんとか2日目を乗り切ったのですが、問題は昨日です。昨日、5月3日はほぼ家から一歩も出る事がありませんでした。昼食の買い出しにスーパーへ行っただけで、これといった用事もなく家でだらだら。今奥さんはお腹の張りが酷いため、ゆっくりさせてもらうべく実家に戻っており、日中私一人で録り貯めたバラエティや映画を見て過ごしていました。普段であれば個人的には贅沢な時間の過ごし方なのですが、ただタバコを吸えないというだけでなんとも辛い休日となったわけです。
家の中には既にタバコはありません。昼食を買いに出たスーパーでも、ぐっと堪えて帰って来たのですが。夕方ごろついに欲求がピークに達し、所謂シケモクという奴に手を出してしまいました。要は吸い殻に火をつけてプカー。
あああ、ダメな奴。ダメ人間です。この時はまだ事の重大さに気づいていません。ほんの2日、煙草を吸わなかっただけで、不思議と、美味い!と思いませんでした。体が少しずつ変化してきていた証拠。しかし、美味い、と感じなかっただけで、ほんの少しでもニコチンを摂取したせいで、エンジンに火が点いてしまったようです。
格好良い言い方してる場合ではありません。
連休を終えて本日出社前、コンビニでひと箱買ってしまいました。
その時の自分の言い訳も今一つ思い出せません。
怖いです。


この3日間、色々な甘えが脳内をめぐりました。


「6月に産まれるんだから、今月はまだよくないか?」


「とりあえず家の中では吸わない事にして、外ではいいんじゃないか」


「1日は我慢できる事がわかったし、1日1本と決めればいいんじゃないか」


「こないだテレビで見たアイコスはどうだろうか?」


「ストレスが溜まって家の中で不機嫌になるより、それくらいの方(少量に減らすだけ)がメンタル的に健康なんじゃないか」


「このまま一生吸わないのかな? どこかで、次吸ったら爆発的に美味いんだろうから、ドM精神でその瞬間を待ってるだけなんじゃないか?」


などなど。
禁煙に成功した方、もしくは最初から非喫煙の方、笑っちゃうでしょ?
でも大真面目にこんな事ばかり考えていたんですよ。
そして今日の休憩中には、満足に言い訳を考えるまでもなく、2本、3本と煙草を吸っている自分がいました。
完全に逆戻り、大失敗人間の誕生です。
この記事を書いている今も、まだ残っている分は吸うだろうなーと普通に思っています。
仕切り直しが本当に出来るかさえ不安です。


ですが、家では吸いません。それだけは守りたいと思います。
禁煙の理由はいくつかあるのですが、健康上の理由はもとより、生まれてくる子供や奥さんの為に、家に染み付いた匂いを少しでも取りたいとの思いもあるからです。もうシケモクも吸いません。そんなものいつまでも部屋に置いてちゃ駄目ですよね。
しかし、こんな強気な事言えるのも(強気か?)、今日買った分がまだあるから余裕かましてるだけなんじゃないのか?と自分を疑っている自分もいます。
本当に吸いたくなったら、何も考えられなくなってまた買うんじゃないのか?そう思うと本当に自分が怖いです。


止められるでしょうか、煙草…。
20年近く、毎日吸っていた煙草。腰を痛めて入院した時以外、風邪を引こうがインフルエンザになろうが、途切れる事無く毎日吸っていました。最初に吸った煙草は、登竜門、マイルドセブン。そこから、ケント、キャスター、エコーと短期で色々試した結果、今日までずっとオッサン煙草の代名詞、キャスターマイルドと共に生きてきました。
それが、自分の為でもあるのですが、どこかで、自分の意志ではなく家族の為に止めようと決めた禁煙という高い壁。
吸い続けていると、ある瞬間には、

「あー。気持ち悪い、もう一生分吸った気がする。こんなのいつでも止められる」

と思ったりもします。実際、心臓が他の人よりは弱い方なので、吸わないにこした事はないのですが、どこかできっと、止めたくなどないと思っている自分がいるのです。
それが分かっているから、本気になれないのだと思います。


何年かして、子供がこのブログを読む事があるとして、この記事を読んだ時にどんな反応をするでしょうね。
「お父ちゃん格好ワルー」
「往生際が悪い」
と顔を顰める事でしょう。
それも仕方ない。実際今日私はたった3日間で禁煙に失敗したのですから。
あー、辛い。ダブルパンチです。
折角我慢してたのに、またイチからやり直しです。


本当はやめたくなどない。
煙草、大好きだ!
一生吸い続けるつもりだった。
奥さんと付き合いはじめ、前もって、煙草はやめないからね、文句言わないでね、と言っておいたのに。
それでもやはり、こうなってしまった。
禁煙は良い事です。
体にもその方が良いし、周囲に迷惑をかけなくて済む。
しかし、好きなものは好きなんだ。
キャスター・マイルド。なんて素敵な響き。
それがいつなのかは分からないし今はまだ自信がない。
しかし近い将来、きっと止める。
ここまで来て、喫煙の継続は許されない。


今日、正直に「吸ってしまいました」と奥さんにメールしました。
心底苛立ったでしょうが、「頑張ろう」と優しい言葉を返してくれました。
男として、夫として、父親として、応えなくてはならない。


あー、辛い!本気で嫌だ!
と同時に、本気で止めたい!
出来ればお金を掛けず、意思の力でやめたいのです。
禁煙外来とか行きたくない、ニコチンパッチとか信じない。
ニコレットとか余分なお金を使いたくない。




くっそー!頑張ります!
あー!煙草吸いたい!
でも、くっそー!頑張ります!