それを知ってどうしろと？ - 「言葉を残そう」

またまた長谷川豊さん、ブログで吠えてましたね。

メディアごときに何期待してんだ？金儲けしてるだけなんだがら、いつも通りの光景だろうが、と今回の震災報道についての見解を正直に書いておられます。メディアリテラシーをちゃんと持って、という落ちをつけてやんわり軟着陸してましたが、そんな長谷川さんの希望なんてどうでもいいくらい腹立つ文章でした。そして内容でした。世界に比べて日本のメディアリテラシーは最低らしいですよ。実際金儲け主義のテレビを見て一喜一憂、笑って泣いて怒って楽しんでいるのが日本人ですから、最低か最高かと言われたら最低かもしれませんね。ですが、だからと言って民報メディアの姿勢や理念の質の悪さを「初めっからそういう物だし、金儲けしたいだけだし、何だと思ってたの」なんて開き直るあたり、世間様を高みに導きたいんだか啓蒙したいんだか知りませんが、ただの屑ですね。
今回の震災報道でメディアが「通常運転」と言うならば、そもそもそんなメディアを見てギャーギャー言うこちら側サイドも通常運転だ。
「ちゃんとやれ」「やらせはすんな」「偏向報道は駄目だ」「誠実にやれ」「嘘つくな」「恥ずかしくないのか」と、ニュースを見ながら喚き立てるのが視聴者の通常運転です。
それがネットの普及で言葉になって「外」に出るようになっただけの話。
そんな視聴者を相手に、何故いきなり開き直った事を言うのでしょうか。
というより、怒っている人達が言いたいのは「メディアがどういうものか」に対してではない。聖人君子の集まりであれ金儲け主義の集団であれ、どちらにせよダメなもんはダメだろ、と言いたいだけなのですが。
分かった上で煽っているように見えるから、余計に質が悪い。

メディア全体を相手にするのと、世間一般を相手にするのと。
どちらかが変化しなければ、良い方向へは進んでいかないとするなら、長谷川さんは顔の見えない「世間一般」という漠然とした何かを変えたい、と仰っているわけです。
メディアが金儲けするのは仕事だから仕方ない。嘘の悲劇を報道して視聴率が上がれば、スポンサーも喜び給料も上がる。だからメディアなんて期待するもんじゃない。
ですってよ。それが正しいかと問えば、倫理的には間違ってるかもしれないが、職業であり金を稼ぐ場である事を考慮すると、売り上げの為にあれこれ頑張って実際儲けてるんだから正しい、という答えを出すのでしょう。そして長谷川さん自身、フリーとはいえそちら側の世界の人間で、そこでお金を貰って生きている以上、絶対にメディア側を変えたい！とは言えないわけですね。実際に顔の見える雇い主相手に、「もうちょっと何とかなんねえかな」とは言えないですよね。変えたいとも思っていないでしょうし。だから、数で言えば絶対的に多いはずの、無知な世間一般に、「メディアリテラシーを持ちなさい」と言うわけです。
メディアと一言で言っても、放送の仕方や内容は色々あります。その中で、あえて報道で儲けなくたって良いんじゃない？という気持ちは一笑に付されるのでしょう。
ＮＨＫだから、民放だから、という分け隔てなく、報道は真実を伝えて欲しい。
少なくとも有事の時くらい、一旦金儲けは脇に置いて、謙虚で誠実な姿勢をもって報道にあたって欲しい、という思いに対して「青臭い事言ってるねー、そんなわけないじゃーん」と腹を抱えて笑うのでしょう。「つまんないし数字取れないから無理ー」と打ち砕かれるわけです。

当たり前のようにメディアは嘘を付きますよ。
だからね、ちゃんとリテラシーをもって、自分達で考えて自分達で判断してね。こっちはお金儲けのためにやってるんだからね、勘違いしないでね。
…と、こんな事を長谷川さんは、本気で伝えたかったの？
それとも、「ホラね、知らなかったでしょ、メディアがどんな物か分かっただけ、良いでしょ？」とでも言いたいのかな。
自暴自棄？身内を切ってる？けど変えたいのは世間？
一体なんなの？この人、理解できないわ…

つい先日、もう長谷川さんに物申す的な記事はしばらく書かないと言っておいてこの始末です。気持ち切り替えたはずだったのですがね。

本当は音楽とか漫画とか趣味の話をもっと一杯書き残しておきたい。
時事ネタは鮮度が命なので、後になって読んでも「ふーん」としか思わないですものね。