裏側音楽版

でもってCDも聞いてますよ〜。新譜もそうでないものも。基本理念として、CDはたくさん買うけどそれ以上にたくさん聞く。古くなった音源も引っ張り出して聞きまくる。宝物だからね。個人的に夏の定番、というか海の定番、パンクバンドの王者、SAの「PRIMAL YELL」「BEYOND I」は今年もヘビーローテーション。特にPRIMAL〜収録の「STANDING4」は最高。気持ちが昂ぶる、力が漲る。夏バテしなかった!ありがとうSA!

新譜はと言えば最近邦楽イチオシ、cari gariさんが「10」を出しましたね。完全新作。ホヤホヤじゃないかなコレ。いやー、全く。おそらく論点は全て、vo石井の存在に集中すると思う。アルバムの完成度としては満点。J-POPの括りで考えれば最高峰の出来じゃないかな。それは聞いた人皆賛同すると思う。しかし問題は摩り替えられる。好きか、嫌いか。それはvo石井の存在を認めるか、否か、とイコールだ。何故なら彼が主導権を取って活動してきたGOATBEDというエレクロニカ全開のピコピコノイズバンドの音が、carigari新作全編に渡って鳴り響いているからだ。voが石井じゃなければこうはならなかった。しかしvoが石井であったから、ここまでのアルバムになったと言っても過言じゃない。彼の音楽的才能は天才レベルだから。歌の巧さや声量だけを見れば上を行く人はたくさんいるけど、己の立居地をこれだけ完璧に把握して、コントロールして、音の中に埋め込める人を俺は知らない。それこそ自分の得意なフィールドで無理やり勝負している、と思われがちで、だからcari gariを壊していると嫌悪されていはいるが、リーダー桜井青が「楽しい」と言っている以上答えは「アリ」なんだよ。そう、もう一人のキーパーソン。carigari創始者桜井青。俺この人好きだー。歌はアレだと思うけど、この人の持ってる人間性は、実は凄くまともで。退廃的なイメージで、エロで、グロで、というイメージをこれまでcarigariで創りあげてきた張本人だけど、言ってしまえばそれらの要素は人間だれしも持っているわけで。しかしそんな敬遠されがちな要因を芸術に高めることが出来る実に正気の人だから、ファンはコアなファンとなった。そんな桜井青=carigariが、今回引っぺがされた。もちろん全部じゃない。青節のちゃんと残った曲もある。しかし一聴して印象に残るのはやっぱり石井の存在なんだな。これを聞く側がどう捕らえるかによって、このアルバムは崇められるか、ゴミ箱にポイかが決まる。俺自身は好きですけどね。音も、歌も、馬鹿な歌詞も。でも確かに、carigariのアルバムじゃなくても、好きになる。ということは、…あれ?