cali≠gariったら

脳味噌がビリビリ来て気持ち悪くなる程の音でスラッシュメタルを聴くのが日常、音圧ジャンキー。そんな男が前回「MAKE-UP」をベタ褒めしておいて今回何故cali≠gari なのか?
純粋に音楽が好きな人というのは一般論としてやはりアンテナがずっと立ってるよね。だから別段聴きたくもない音をキャッチしてしまい「あーでもないこーでもない」と不満をぶちまけ千切っては投げ千切っては投げを繰り返す。そして残った自分に合う音と世界に包まれて、外から投げ入れられて来る不愉快な音楽を遠ざけるように自分だけの殻に奥深く入っていく。それでも外側の世界ではずーっと理解不能な流行歌が手を変え品を変え垂れ流されていて、どんどん内側の世界へ閉じこもっていく。けれども…を繰り返して、ここにる。どんなジャンルの音楽を好きになったとしても本気で好きになればこういうジャンル分けは自然と起こる、よ、ね?
だけども一つのジャンルに絞らずに、各音楽の良い所を上手くチョイスして自分の日常で聞き分けてる人もいる。純粋に音楽が好きな人って意外と上手く聞き分けられたりする。
→メタルにもバラードがあって、そのバラードの物悲しい世界と音が好き。
→その物悲しい世界はプログレにもあって、重厚な音の波に漂うこともある。
プログレの美しい音の波は純粋な打ち込みサウンドにもあって、エレクトロニカのストイックな音の構築がアドレナリンを分泌させる。
→打ち込みの激しい音は時としてハードコアと呼ばれて怒りや負の感情を巻き込んで疾走する。
→その疾走はパンクと繋がり、パンクは聴く者の日常を映し出し、日々を生きる糧となる。
→やがてロックとなり、ポップスにもたどり着く。そして音圧を伴ったポップスが、圧力を求める脳へ刺激を与え、更なる高みを求めてスラッシュへ帰る。
みたいなね。
無理やりかもしれないけど、人それぞれ違った方程式で、色んな音楽が隣り合わせに存在したりもする。

昔から、V系の音楽はどこを見れば良いのか分からなかった。V系と聞いて想起するバンドは世代的にやはりX JAPANなわけだが、彼らのルックスは好きではない。昨今の所謂ビジュアル系にカテゴライズされるバンドも、実は多種多様な音楽性を誇っており十把一絡げに「イメージ」だけで語れない事も知っている。それでもやはり、どこかルックス重視じゃないのかこのバンド?というのが多いように思われて、音楽として捉えきれない。更に輪をかけて嫌いなのが、「ルックスに負けているバンド」と、「ルックスを作り上げているくせに、やっている音楽は普通」というバンドだ。何がしたんだ?と思えてしまう。名前を挙げる無粋なことはしないし、それはビジュアル系ならずとも言える事かもしれないので、そこはこれ以上掘り下げない。ただ、このジャンルの中から、時折とんでもない怪物達が飛び出してくる事がある。
その特異なルックス、世界観、音、アレンジ。
「アンタらがやってる事はぬるい。スタート地点にも立っちゃない。俺達はここにいるぞ」
そうV系ジャンル全てのバンドに吐き捨てるように宣言できるバンドが、いる。
それが「cali≠gari」と、「Dir en grey」。
才能という事だけじゃないと思うんだな。突き詰めれば人間性なんだと思う。似たようなルックスのバンドは一杯いるけども、彼らの音楽は突き抜けている。変態に近い。いや変態だ。変態だろう?

長くなったので、次回に続ける。